日本語訳の『幻の馬 幻の騎手』は晶文社「文学のおくりもの」シリーズの27巻に入っているが、1980年3月の発刊ですでに絶版になっている。現在、アマゾンドットコムのショッピングサイトには4点の古書が出品されており、3点が2万5千円台で、最も高いものが5万2千円台。よく知っている東京の古書店の名前もあるが、決して納得できる販売価格ではない。実は「文学のおくりもの」シリーズ一括で販売している古書店もあり、「日本の古本屋」サイトをみるとこれ1冊よりかなり安い。晶文社に問い合わせたら復刊の予定はないということで、とりあえず図書館で借りて読むしかないし、実際に読んでみた。2つの短篇で構成されているため、「幻の馬 幻の騎手」だけでは全体の半分くらいの量である。どこかの古書店でぜひ適正価格で販売してもらいたい。1冊2万5千円ではとらぬ狸の皮算用で売れないと訴えたい。
2020年7月19日日曜日
探求本「幻の馬 幻の騎手」
最近復刊されたアルフレッド・W ・クロスビー著『史上最悪のインフルエンザ』(みすず書房)によると、忘れられたパンデミックとも呼ばれるスペイン風邪を取り上げた文学作品はほとんどないという。そういった中で、唯一の例外ともなっている作品がキャサリン・アン・ポーターの自伝的短編小説『幻の馬 幻の騎手』。「彼女はデンバーにあったコロラド・ロッキー・マウンテン・ニューズ社で記者として働いていた。そのころ彼女は若い陸軍士官と恋仲だったが、2人ともインフルエンザに倒れてしまった。もはや彼女の死は時間の問題と思われ、新聞社は彼女の死亡記事の活字まで組んでいたほどだった‥‥」(史上最悪のインフルエンザ)。
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