2020年5月28日木曜日

岡崎市の書店

 中心街の康生町唯一の商業施設が6階建ての岡崎シビコで、前はジャスコが営業していたという。1970年代の重厚なデザインのビルで、内装も凝ったつくりになっている。ただし、テナントの埋まっていないフロアが多く、地下1階から3階までで営業、しかも1階にも空きスペースが散在する。上層階の空きスペースは2013年のあいちトリエンナーレで使われ、いつこんなに寂れたのかと妙な感想を抱きながら見に行った記憶がある。
 この岡崎シビコ2階にあるのが正文館書店シビコ店。知立市に出店している名古屋の正文館書店の支店ではなく、康生通りにある大正11年創業の老舗書店の支店。売り場は本店より広く、本店では扱っていないコミック、参考書も品揃え。文庫・新書コーナーも充実しているが、特に地元岡崎や徳川家康関連の雑誌、単行本の品揃えは目立つ。入り口に2013年発刊「岡崎散歩」のポスターを掲げているが、同書は正文館書店が発行所。
 本店はコンクリートの壁面に茶色をあしらった洒落た外観の4階建てビルで、売り場は1、2階。ワンフロアが狭いため1階では雑誌を中心にした品揃えだが、奥に「家康公の本棚」コーナーを設置。同社で発刊した徳川家康関連の書籍も並べるなど、独自の品揃えを行っている。岡崎出身のイラストレーター内藤ルネの自伝、作品集などがレジ前に並んでいるのも目を引く。2階には絵本、児童書を集めている。
 また、シビコ並びでは2016年12月まで地元の岡崎書房が4階建てビルで営業していた。名鉄東岡崎駅の岡ビル百貨店にも出店していたが、2017年3月に撤退した。この岡崎書房本店のビルは、現在も看板を付けたまま残っている。ちなみに、岡ビル百貨店は昭和の雰囲気が漂うレトロな造りで、シビコ同様、あいちトリエンナーレで会場に使われた。
 市内で最も繁盛している書店とみられるのが、イオンモール岡崎の3階に出店している未来屋書店。小型チェーン店と違って、岩波書店の文庫、新書なども揃えている。また、チェーン店としてはアピタ岡崎北店2階にはくまざわ書店が出店、北部の国道248号線沿いにあおい書店上里店、JR岡崎駅の西側の県道沿いにらくだ書店グループの鎌倉文庫岡崎みなみ店も駐車場付き店舗で営業している。





2020年5月27日水曜日

岡崎市の古書店

 岡崎市は徳川家康が生まれた城下町であると共に、東海道の第38番目の宿場町として知られる。外敵からの防御を目的に旧東海道を屈折させて造り上げた二十七曲りも、伝馬通り、連尺通りなどに現在も残っている。二十七曲りと岡崎公園(中心に岡崎城)に挟まれた康生町が中心街で、少し前まで松坂屋など百貨店もあって賑やかだったが、今は空き店舗の目立つ商業施設シビコしかない。市内ではイオンモール、アピタなどロードサイド型大型店が発展、いつの間にか商業の中心を占めている。
 古書店もかつて康生町周辺に4店、 JR岡崎駅周辺に3店、西岡崎駅前に1店あったが、今は都築書店と岩瀬文庫の2店舗しかない。それに代わるかのようにブックオフが3店舗を展開、そのうち1店舗は西友2、3階に出店の家電、ブランド品、玩具なども複合販売する大型店「SUPER BAZAAR」。書店売り場は3階で文庫、実用書、文芸書、コミックを100円コーナーも交えて大量に揃えるが、他の2店に比べ文芸関係の文庫、単行本がそれほど多いわけではない。どちらかというと書籍以外の商品に力を入れているような気がする。他に2店は国道248号線沿いの南公園前にある小型店舗の岡崎上地店と、北部の国道248号線沿いの中型店舗・岡崎井ノ口店。
 岩瀬文庫はブックオフ大型店舗の出店する西友岡崎店のすぐ裏で営業。予想外に奥の深い売り場で、雑多な種類の古書が通路に沿って山積みされている。レジ横に絵本、児童書コーナーを設けているが、レジ前ゾーンにはアダルト本も多く、なかなか微妙な品揃えとなっている。アダルト本の中にはかなり古いカストリ雑誌も。
 一方、康生町近くで営業、〝昔ながらの古本屋〟として岡崎フィルムコミッションにも登録されている都築書店は新型コロナウィルス対応か、残念ながら4月11日から休業中。店舗前の貼り紙には6月30日まで臨時休業、期間を延長する場合もあるとしている。





 

2020年5月24日日曜日

知立市に丸善

 5月22日、知立市の大型商業施設「ギャラリエアピタ」の2階に丸善ジュンク堂書店が出店した。店名は「丸善アピタ知立店」。
 同商業施設には大和書店の「ザ・リブレット」が出店していたが、経営破綻で昨年11月末に閉店した。丸善は同店舗の跡に開業したもので、売り場面積は約120坪(うち文具10坪)と同店としてはかなり規模の小さい店舗。このため、雑誌、文庫・新書、実用書、文芸書、児童書、コミックと幅広い商品ラインアップだが、小説、専門書の品揃えは決して充実しているとは言えない。近くの郊外店舗・正文館書店と比べると見劣りがする。
 丸善ジュンク堂書店では、同店に続いて、愛知県内に「丸善ヒルズウォーク徳重店」、「丸善イオンタウン千種店」の2店舗も出店する。これら新店舗を加えて丸善の店舗は愛知県内で5店舗となる。「名古屋市中心部に立地する既存店舗の売れ行き情報や調達力を活かし、大型書店を擁するチェーンならではの品揃えとサービスで地域のお客様の暮らしや学びをサポートして参ります」と報道資料。ヒルズウォーク徳重店は名古屋市緑区のヒルズウォーク徳重ガーデンズに出店するもので、6月5日にオープン。売り場面積は約250坪(うち文具50坪)。イオンタウン千種店は名古屋市千種区のイオンタウン千草の2階に出店するもので、6月19日にオープン。売り場面積は約300坪(うち文具30坪)。いずれもザ・リブレットが撤退した商業施設に出店する。また、知立店より2倍以上面積が広くなるため、品揃えもかなり充実した店舗となると予想される。
 なお、ザ・リブレットは今年春に名古屋市の三越星ヶ丘店、金山店、一宮市のアスティー一宮店、岐阜市のカラフルタウン岐阜店、横浜市のジョイフルテラス二俣川店が経営母体を替えて営業を再開した。金山店はJR駅のミュープラット金山のテナント店で、文具・雑貨と文具を複合展開する個性派店舗としてかつて取材したことがある。

2020年5月23日土曜日

高浜市の古書店

 三州瓦の生産地として知られる高浜市。日本で唯一の瓦をテーマにした美術館もあり、かつてはあちこちに瓦屋が点在、屋根瓦が売れなくなってからは土管を作る業者も多かった。周辺に良質な粘土がとれるため窯業が発達したとも言われるが、実は安城市の外れある実家では高浜市の瓦屋、土管屋に粘土を掘り運んでいた。もう20年以上前に廃業してしまったが……。(写真は陶管焼の衣浦観音)
 5万人弱と人口が少ないこともあって、市内に書店は少ない。古書店は1997年4月発行の古書マップによると郵便局の近くに一風堂があったが、今は1店も存在しない。その代わり、一風堂の近くの完全道路沿いで営業していたブックオフ高浜店は現在でも存在する。また、ブックオフと同じような業態の郊外型店舗・ブックマーケット高浜店が最近まで営業していたが、昨年8月に閉店した。ブックオフはかなりの小型店舗で、近隣の安城店、刈谷かりがね店などと比べて書籍量も極めて少ない。
 このほか、高浜Tぽーとの2階に出店する三洋堂書店が3月に増床リニューアル、新たに古本の取り扱いを開始した。ただし、単行本は置かずに文庫を中心に新書も若干揃えた展開。リニューアルでは、古本と共に文具やCD、DVDの販売コーナーも新設した。新刊書店としては、郊外型店舗の精文館書店新高浜店も営業しているが、規模は安城店、西尾店などと比べとかなり小さい。また、昔の中心商店街の一つ、本町通りには売り場は狭いが、文具、教科書、教材も扱う不二商会も営業している。



2020年5月19日火曜日

知立市の書店

 東海道の宿場として栄えた知立市は、現在も交通の要衝であり、名鉄名古屋本線知立駅には特急も停車する。中心街に近い弘法町には〝知立の弘法さん〟の愛称で親しまれている真言宗の弘法山遍照院(へんじょういん)があり、定期的に開かれている縁日には家族に連れられて何回か通った記憶がある。
 1997年発行の愛知・岐阜・三重の古書マップによると、市内には秀文堂書店、日だまり書房、花咲書房の3店の古書店が存在していたが、現在は1店も残っていない。また、ブックオフも市内にはない。ただ、古書も扱う三洋堂書店の2階建ての大型店舗が名鉄知立駅の東側の幹線道路沿いにあり、1階奥に古書コーナーを設置している。コミック、文庫中心の品揃えだが、ここ数年のベストセラーを中心に単行本も置いている。
 注目されるのは、安城市との市境に近い田んぼの真ん中で営業する名古屋市東片端に本社を構える正文館書店の知立八ツ田店。ワンフロアの広い売り場には雑誌、文庫、新書、学習参考書や、様々なジャンルの単行本も並び、中央には文具コーナー、奥にはカフェスペースも設置。岩波書店やミシマ社などの直取引出版社の書籍もしっかり揃え、隣接の安城市、刈谷市も含めてまさに地域随一の品揃え。さらにイベントも積極的に行っているようで、1月中旬から5月29日まで名古屋や刈谷などの古書店の出品で古書フェアを開催中。
 また、ユニーの大型商業施設ギャラリエアピタ知立店に丸善ジュンク堂書店の「丸善アピタ知立店」がオープンするのも注目される。同商業施設には大和書店のザ・リブレットが出店していたが、経営破綻によって昨年11月末に閉店したことから、新しい書店の開業が期待されていたという。丸善がどのような売り場面積になるか分からないが、6月1日のグランドオープンが待たれる(5月22日にプレオープン)。



2020年5月15日金曜日

刈谷市の古書店

 愛知県のほぼ中央に位置する刈谷市は、自動車関連企業の本社や工場の集積地で、外国人労働者の姿も多い。郊外にはかつて8基の鉄塔がそびえていた無線通信施設「依佐美送信所」が産業遺産として保存、フラワーガーデンとして整備されている。昭和30年代に刈谷高校に自転車通学していたため、鉄塔の下を毎日のように走っていたことを思い出す。
 古書店として1997年4月発行の古書マップにはあじさい堂書店、西村書房、江文堂書店、がらん堂東刈谷店の4店が掲載されているが、現在でも営業しているのはあじさい堂書店のみ。このほか、アイシン精機本社北側の幹線道路沿には、ブックオフの小型店舗・かりがね店もある。
 また、新刊書店としては刈谷駅前にある商業施設・アピタの3階に地域一の品揃えと評価の高いくまざわ書店が出店、同駅から車で数分のロードサイドにはTSUTAYAのFCで書籍、文具も扱い、2階でスポーツジムも運営するブックセンター名豊刈谷店が営業。さらに、中心街には学校納業者である刈谷日新堂書店の小さな店舗や、イトーヨーカドーが入る商業施設エルシティ2階にブックスじんせいが出店。全体的にみて、県内で強力に多店化している精文館書店、三洋堂書店の店舗がないため、書籍の買い場は脆弱な地域と言える。
 唯一の古書店のあじさい堂書店は、小型飲食店、商店が並ぶ刈谷駅北口のグリーンモールの一角にあり、2階が住宅という古本屋らしいたたずまいの店舗。売り場は20坪ほどあり、コミック類を置かず、美術、歴史、郷土史、文学関係の単行本を中心に雑多な文庫、新書を並べている。歴史書では戦記物、文学では詩集などなかなか黒っぽい品揃えとなっている。文庫も講談社文芸文庫、ちくま文庫の珍しいものが並んでいる。



2020年5月13日水曜日

西尾市の古書店

 安西水丸の著書「ちいさな城下町」(文春文庫)で紹介されている西尾市は、三河小京都と言われ、戦国時代時代から城下町として栄えたという。名鉄西尾駅の西に歴史公園があり、ここに高さ10メートルの本丸丑寅櫓(うしとらやぐら)が復元されている。公園の周りには城下町の雰囲気の漂う街並みも残っている。
 1997年4月発行の愛知・岐阜・三重古書マップによると、古本の中央、安藤書房、スギ書房、きらら書房と古書店4店があったが、現在は古本の中央、安藤書房(西尾書店)しか営業していないようだ。その代わり2階建てのブックオフ西尾下町店があり、西尾駅の東側の三洋堂書店西尾店でも一部古書を販売している。
 古本の中央は康全寺近くの中央通り沿いにあり、まだ新しいお洒落な外観の2階建て建物の1階に売り場を構えている。2013年発行の「なごや古本屋案内」(風媒社)によると、江戸から昭和にかけての書画・骨董・古書を収集とあり、日本の小説の単行本など確かに古めの本が多い。しかし、売り場がかなり広いこともあって、日本や海外の小説の文庫、新書も多数並んでいる。その中にポケミスも混じっていたが、ブックオフなどと比べると古いものが多く、表紙、本文に日焼けなども見られる。単行本では海外の小説など残念ながらほとんど見当たらなかった。すぐ近くには古書ミュージアム「岩瀬文庫」があり、同文庫との連動も考えた品揃えを行い、かつて売っていた漫画本の取り扱いをブックオフオープンを機にやめてしまったという(なごや古本屋案内から)。


プーチン関連翻訳本『クレムリンの殺人者』

      朝日新聞出版から11月30日に発刊された翻訳本『クレムリンの殺人者』は、ロシアのウラジミール・プーチン大統領について書かれた書籍では最も内容が深いと言って間違いない。秘密警察の工作員、サンクトペテルブルクの副市長、クレムリンの管財部、首相代行、首相、そして大統領として...